【短編小説全10話】最終話:雨上がりの空、琥珀色の約束
2025年12月21日
1. 包囲網 インターネットカフェの狭いブースで迎えた朝は、鉛のように重苦しかった。 眠れたのかどうかも定かではない。シズクは私の膝の上で、じっと動かずにいる。その小さな体は、嵐の前の静けさを孕んでいるようだった。 「… […]
【短編小説全10話】第九話:影の世界の歩き方、潜む気配
2025年12月15日
1. 夜の繁華街は、まばゆいネオンと騒音で溢れかえっていた。 行き交う人々は皆、それぞれの目的地に向かって歩いている。昨日までの私も、その中の一人だった。 けれど今は、透明な壁一枚隔てた向こう側の世界にいるような感覚だっ […]
【短編小説全10話】第八話:運命の岐路、選択を迫る二つの世界
2025年12月8日
1. 朝焼けが、河川敷を青から茜色へと染めていく。 その美しさすら、今の私には残酷に感じられた。 私は、橋の下の硬い地面で、膝を抱えて座っていた。一睡もできなかった。 腕の中には、キャリーバッグに入ったシズクがいる。昨夜 […]



